Story

最終話「新たなる使命」

あらすじ

天刑剣を携え無双の剣術を誇る蔑天骸を前に、一振りの刀を抜き放つ“掠風竊塵”凜雪鴉。そして、かつての窮暮之戰にて東離の地に封印された魔神が覚醒する。光の大地に魔神の咆哮が轟く中、一人の男が立ち向かう。

技名

役魔陣・暴亂黄泉[えきまじん・ぼうらんこうせん]
伝承上の魔神を仮想敵に設定した上で編み出された秘剣。役魔陣における最大の奥義であり、人間でこれを凌げる剣士はいるまいという確信が、蔑天骸に絶対的な自信を与えていた。

天霜・煙月無痕[てんそう・えんげつむこん]
丹田を巡る練気が熱ではなく冷気を生じさせる「天霜」の技は、あまりにも尋常な剣技の域を逸脱しているため、達人である程にその変化を見切ることが難しくなる。

須彌天幻・劫荒劍[すみてんげん・ごうこうけん]
星空の彼方より訪れた剣匠が鍛えたとされる異形の魔剣。これを制御し得るには尋常ならざる氣功の練度が要求される。

洪荒禁窮獄[こうこうきんきゅうごく]
宇宙の何処かにあるという「底なしの闇」へと繋がる穴を出現させる劫荒劍の最終形態。落ち込めば最後、どのような力を用いても決して外に逃れることは叶わない。この暗黒の吸引力は劫荒劍の刃によって傷を負った対象のみに作用し、他の事物には影響を及ぼさない。

念白

殤不患

「狂風驟雨催紙傘,遊人浪跡步不休。天地滂沱如何渡,蓑衣褪盡任濁流。」

日本語訳:傘が折れるほどの嵐であろうと、流浪する旅人の足は止まらない。滂沱たる風雨をどう渡り切るか…、雨を凌ぐ蓑を脱ぎ、濁流に身を任せよう。

第一二話「切れざる刃」

あらすじ

深手を負った捲と、それを手当てする丹翡のもとに辿りついた殤。そこへ玄鬼宗の追手が現れる。二人を守るべく手にした刃を揮う殤。人呼んで“刃無峰”その力の秘密が明らかになる。一方、鍛劍祠では天刑剣の封印が解かれようとしていた。

技名

枯骨・朽心[ここつ・きゅうしん]
全身の経絡の循環を数倍に加速させることで、心肺器が停止した後もなお体内に氣功エネルギーを残留させる技。致命傷を負った後でも戦闘を続行し、殺したものと油断した相手に対して3手までの大技を繰り出せる。

拙劍無式・鬼神辟易[せっけんむしき・きしんへきえき]
体幹の経絡に正確無比な刺突を与え、相手の体内を巡る氣の運行を強制停止させることにより、行き場を失った氣功は暴発して肉体を内部から完全破壊する。強烈な練氣を行っている相手に対しとりわけ威力の絶大な技となる。

第一一話「誇り高き命」

あらすじ

凜に成り代わった殤は蔑天骸とともに魔脊山を下る。その隙に凜は天刑劍の柄を盗み出すため行動を起こすが蔑天骸は既に一歩先を見据えていた。一方、丹翡と捲は天刑劍の鍔が隠されているという無垠寺へと向かう。背後に忍び寄る影には気付かずに…。

技名

赫雷撼天[かくらいかんてん]
捲殘雲が修得した中でも最強の威力を誇る技。全身の経絡を駆使した呼吸法で天地の雷気を丹田に呼び込み、集束して一気に解き放つ。

死門鏡影[しもんきょうえい]
気迫を込めた分身の影を放つだけの牽制技に見えるが、幻影とともに緩急の差をつけて飛ばされた気功は互いに衝突して急激な気圧差を発生させ、瞬間的な竜巻となって敵を空中に巻き上げ、防御反撃の一切を封殺する。

丹輝劍訣・灼彗馭虹[たんきけんけつ・しゃくすいぎょけい]
溜め込んだ渾身の気功をすべて込めて繰り出す必殺の一撃。戦闘継続が不能になるほど激しい消耗を伴うため、決着を期した最後の一撃でのみ実用性を持つ大技だが、丹翡はこれを攻撃に使わず、退路を拓くための威嚇に空撃ちするのみで使い捨てた。誇りを重んじるのが常の護印師としては異例の判断といえる。

念白

捲殘雲

「人笑良圖若華胥,吾志凌雲意堅行。不與浮榮競朝夕,無憾黃沙染身時。」

日本語訳:理想が高い夢と笑われようと、俺はこの凌雲の志を貫く。上辺だけの虚名を追いかけるより、命を落とす時心残りなく生きたい。

第一〇話「盗賊の矜恃」

あらすじ

殺意を持って対峙する殤に語られる凜の真意。不本意ながらも天刑劍を取り返すためには、凜と手を組む必要があると理解する殤。蔑天骸との交渉は成立し、形勢は大きく動き出す。掠風竊塵は天地の理さえも欺いて奇計妙策を巡らせる。

第九話「剣の神髄」

あらすじ

凜の計略によって牢獄に囚われた殤と丹翡に、迷宮を突破した狩たちから真実が語られる。一方、七罪塔では、凜と蔑天骸により天刑劍を廻る駆け引きが繰り広げられていた。そこへ招かれざる客“鳴鳳決殺”こと殺無生が血風を纏い現れる。

用語

科挙を控えた進士
「科挙」とは官僚を民間から登用するための選抜試験。数回に分けて実施され、ある程度までパスした受験者には「進士」の称号が与えられ、さらに高位の受験資格を得る。

妖荼黎[ようじゃれい]
窮暮之戰[きゅうぼのせん]において人間界に攻め入った魔神たちの一柱[ひとはしら]。丹輝劍訣[たんきけんけつ]を編み出した丹家の開祖が、天刑劍[てんぎょうけん]をもってこれを撃退したと伝えられている。

第八話「掠風竊塵」

あらすじ

殤の機転により一足飛びに七罪塔へ侵入した殤、丹翡、凜の三名。しかし、全てお見通しとばかりに眼前に現れる蔑天骸と玄鬼宗。兄の仇と激昂する丹翡に対し、一騎打ちを提案する蔑天骸。凜や玄鬼宗が静観する中、丹翡の剣技が冴え渡る。

念白

凜雪鴉

「幽夜匿形不謂隱,明光伏影是迷觀。虛實由來如一紙,誰識幻中吾真顏?」

日本語訳:闇に潜っての画策は忍びの技とは言えぬ、光の中で人の目を惑わせてこそ真の力なり。虚実の境は紙一重、幻惑の裏の我が素顔を誰が見抜けるだろうか?

第七話「魔脊山」

あらすじ

蔑天骸が居城とする七罪塔へと到るため、魔界と人間界の間にある幽世と呼ばれる土地である魔脊山へ挑む一行。常人では行き来できないどころか、踏み入ることすら憚られる難所であり、待ち受ける三つの関門は殤を局地へと追い込む。

用語

辟邪聖印[へきじゃせいいん]
護印師の必修術である防衛結界。不浄の眷属の接近を阻む効力を持つ。辟邪聖印の場合は術者単独を防護するのが本来の用途で、使用中に他の動作を封じられるのが欠点。また効果範囲を広げるためには術をサポートする助手が必要になる。

念白

丹翡

「膺懷丹心承天命,身負恩仇江湖行;裂棄柔絲綺羅絹,付盡情夢仗寒兵。」

日本語訳:真心を持って天命を継ぎ、恩讐を背負い江湖に生きる。柔らかな絹を引き裂いて捨て(普通の女性らしい人生を送る事が出来ない事の象徴)、夢を葬り、冷たい刃を手に掴む。

第六話「七人同舟」

あらすじ

七罪塔攻略に必要な人物が揃い船へと乗り込む一行だったが、仲間であるはずの面々は各々が疑心暗鬼に囚われ、はたして肝心な局面でお互いが協力しあえるのか、先が思いやられるとぼやく殤。そこへ獵魅、凋命らが待ち伏せの罠を仕掛けるのだった。

技名

蛟龍盤雲[こうりゅうばんうん]
大地の龍脈に直接振動を与えて周囲一帯に衝撃波を引き起こす力業。確実に効力を発揮するためには龍脈の位置を予め把握しておく必要があるが、運任せで地面に叩き込む豪傑もいるという。

枯骨・砕腑[ここつ・さいふ]
全身の経絡をわざと暴走状態に駆り立て、自らを氣功エネルギーの爆弾に変えて体当たりを仕掛ける禁断の技。たとえ実力に隔たりがあろうとも捨己を覚悟すれば相撃ちを狙える。

殺劫・黑禽夜哭[さつごう・こっきんやこく]
他人が放出した闘気を吸収して自らの氣功に上乗せする秘技。合戦場のような多人数の乱戦の場では絶大な威力を発揮する。息をするかの如く日常的に他人の殺意を浴び続けた修羅だけが会得できる技である。

念白

刑亥

「妖歌吟,鴆花蜜,鎮亡夜之魂,惑永寐之軀。生人樂舞,屍亦婆娑。幽冥絕麗之界,不聞人語,唯識月光。」

日本語訳:妖魔の歌は毒花の蜜、夜に彷徨う魂を鎮め、永遠の眠りについた躯を魅了する。舞踏とは、生者のみの楽しみでなく、死者も舞うもの。美しい幽冥界において、俗世の声は聞こえず、月光のみを感じればよい。

第五話「剣鬼、殺無生」

あらすじ

旅の行く手を阻む殺に対し、自らの命を懸けて戦いを挑むと意気込む捲と、勝算のある策を講じるまで待てと諭す凜。そしてどちらにも同意できない殤。迴靈笛を巡る方針は各々に違う思惑を懐かせる。一方、七罪塔では、蔑率いる玄鬼宗が動き始めていた。

用語

西幽[せいゆう]/東離[とうり]
窮暮之戰[きゅうぼのせん]の際、呪いを掛けられ行き来が出来なくなった二つの国。
かつてはひとつの国だった。

念白

殺無生

「今朝啼鳥訴生死,眾生執迷;江湖宿命無人悟,一劍終末。」

日本語訳:今朝啼いた鳥が生死を告げていたが、俗衆は依然として迷っている。江湖の宿命を悟れる者は誰一人いない、それ故俺が一剣で終末をもたらしてやるのだ。

第四話「迴靈笛のゆくえ」

あらすじ

刑亥が仲間に加わる一方で、一人の男が街道筋で剣を抜いていた。殺無生と名乗るその男は、過去に凜と因縁があり、彼を斬るためだけに旅をしているという。七罪塔にたどり着くために必要な笛を殺が持っていることが判明し、一行は彼と対峙するが…。

用語

無垠寺[むぎんじ]
凜雪鴉[りんせつあ]が廉耆[れんき]と落ち合う予定だった寺。

迴靈笛[かいれいてき]
吹き鳴らした音色の谺[こだま]を聞けば、必ず正しい道が分かるという魔法の笛。

桂花園[けいかえん]
殺無生[せつむしょう]が逗留している酒楼。

技名

殺劫・百鳥朝鳳[さつごう・ひゃくちょうちょうほう]
練り上げた氣を短剣に見せかけて無数に放つ技。このとき早業で本物の暗器も紛れ込ませて投擲することにより、相手に防御の処方を惑わせて致命的な隙を作ることができる。

第三話「夜魔の森の女」

あらすじ

凜からの召集に応じた弓の名手、狩雲霄。そしてその舎弟である槍(鉾)の達人、捲殘雲。蔑天骸の居城、天然の要害に守られた七罪塔へと歩を進めることとなった一行は、夜魔の森に住まうとある人物を新たな仲間に加えようと訪ねるが…。

用語

魑翼[みよく]
魔界より持ち込まれ人間界に適応した外来種の猛禽。知能も高く魔術師の使い魔として重用される。

七罪塔[しちざいとう]
かつて強大な魔術師が居を構えた塔。現在は蔑天骸が居城としている。

魔脊山[ませきざん]
七罪塔のある土地。魔界と人間界の間にある幽世[かくりよ]と呼ばれる土地で、常人では行き来できないどころか、踏み入ることすら憚られる。

技名

疾風迴旋[せんぷうかいせん]
槍を猛回転させて蓄積した氣力を一気に解き放つ技。隙は大きいが軍勢相手の初手には大いに有効といえる。

丹輝劍訣・烈華誅夜[たんきけんけつ・れっかちゅうや]
護印師[ごいんし]の基本技。夜間、および瘴気の立ちこめた不浄の環境でも十全に清めた氣功を操ることができる。

風雲龍撃[ふううんりゅうげき]
捲殘雲[けんさんうん]は調子に乗ってくると戦闘中に適当な技名を叫ぶことがある。

丹輝劍訣‧聖芒辟邪[たんきけんけつ・せいぼうへきじゃ]
翠輝剣[すいきけん]の霊力で清めた氣力を放出する技。不浄の眷属を相手に大ダメージを与える。

第二話「襲来!玄鬼宗」

あらすじ

丹翡が守る天刑劍の鍔を奪おうと襲い来る獵魅と玄鬼宗郎党達。雨傘の義理を果たす為丹翡を助けた殤は、彼等から「お尋ね者」として手配されてしまう。成り行き上、再び玄鬼宗と対峙する殤の前に、二人の男達が姿を現す。

用語

鬼鳥[きちょう]
江湖[こうこ]の恩讐には複雑な事情が絡むことが多々あり、偽名を名乗るのはそう珍しいことではない。自己紹介を渋る相手を深く追求しないのもまた気遣いのうちである。

天刑劍[てんぎょうけん]
神誨魔械[しんかいまかい]の中でも、ひときわ危険な力を有する剣。
現在は刀の柄と鍔をそれぞれ取り外し、その力を封印されている。

鍛劍祠[たんけんし]
神誨魔械[しんかいまかい]が祀られている祭壇。

鬼歿之地[きぼつのち]
西幽[せいゆう]と東離[とうり]を結ぶ、呪われた荒野。
窮暮之戰[きゅうぼのせん]から二百年に渡り、誰ひとり行き来が出来たものは居ないとされている。

技名

流星歩[りゅうせいほ]
軽功術の絶技であり、ごく短時間だけ肉体を氣功エネルギーに変換して瞬時に移動を行う。充分な調息が必要なうえ、地脈の性質にも大きな影響を受けるため、条件の整った局面でなければ活用は難しい。

念白

狩雲霄

「雙目不能視物,隻眼能望千里。凝吾眸光成箭,奪人不避之命。」

日本語訳:双眸をもって何も見えない者もいれば、隻眼にて千里を見通す者もいる。
私が目を凝らせばその視線は矢となり、逃げ切れぬ者の命を奪い取る。

第一話「雨傘の義理」

あらすじ

無双の力を発揮する武器、神誨魔械。護印師である丹衡、丹翡兄妹によって守られてきた神誨魔械の一つである天刑劍が、今まさに蔑天骸率いる悪の手に落ちようとしていた。丹翡は偶然にも凜雪鴉、殤不患の両名と出会い、その助けを得ることとなる。

用語

窮暮之戰[きゅうぼのせん]
かつて、魔界の軍勢が人類を滅亡させようと押し寄せた戦争の呼称。

神誨魔械[しんかいまかい]
窮暮之戰[きゅうぼのせん]の際に、魔神に対抗するため、仙人から教えを得て人類が鍛造した強力な武器群。

護印師[ごいんし]
神誨魔械[しんかいまかい]を監視する役目を担っている守護者。

翠輝剣[すいきけん]
霊力を帯びた翠晶鉄によって鍛造された剣。護印師のみが帯びることを許され滅多に出回ることはない。好事家の間では途方もない高額で取引されるという。

技名

丹輝劍訣・飛霞行月[たんきけんけつ・ひかぎょうげつ]
護印師、丹衡が得意とする必殺技。氣功のエネルギーを刃に変えて自在に空を飛ばす。

丹輝劍訣・流陽凌日[たんきけんけつ・りゅうようりょうじつ]
飛霞行月による飽和攻撃。氣功の刃を同時に幾つ操れるかによって、護印師としての格付けが決まるとも言える。

役魔陣・萬象盡滅[えきまじん・まんしょうじんめつ]
剣氣のみならず呪法と霊圧を同時に叩きつける必殺技。たとえ剣撃のみを防御できたとしても寿命を削られ生命力そのものを剥奪される。

枯骨・血斬[ここつ・けつざん]
受け止めれば力で押しきり、回避すれば立て続けの追い討ちで逃げ場を奪う渾身の力業。ただし防御が疎かになる捨己の技でもある。

拙劍無式・八方氣至[せっけんむしき・はっぽうきし]
敵の攻撃を紙一重で避けつつ氣力を放出して態勢を崩させる。単純ながらも極めつけの見切りを要求される高難度の技である。

念白

蔑天骸

「萬物之生,死亡之序。奉吾則功上枯骨,逆吾則劍下亡魂。寒刃之前,唯此二道。」

日本語訳:万物の生命の誕生、それは死の序章に過ぎぬ。我に従えれば、我の偉業を成し遂げる力となり、光栄の内に死に至る。我に服さねば、我の剣で斬られ屍骸となるのみ。我の冷たい刃の前にはこの二択のみ。

あらすじ

かつて魔界の軍勢と人間界が争った戦において、人間たちによって鍛造され、無双の力を発揮した数々の武器である「神誨魔械」。

戦の後、数多の神誨魔械は護印師らによって長く守られてきたが、その中でも護印師の「丹衡」「丹翡」兄妹によって守られてきた最強の武器「天刑劍」が、今まさに「蔑天骸」率いる悪の手に落ちようとしていた。
蔑天骸の追求から逃れる途中、丹翡は偶然にも「凜雪鴉」「殤不患」の両名と出会い、その助力を得ることに。

奇縁により導かれた3人は、新たに加わる個性豊かな仲間たちと共に各々の思いを抱き、蔑天骸の居る七罪塔を目指すこととなるのであった。

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